サム・ミラー監督作「善き人に悪魔は訪れる」("No Good Deed" : 2014)[DVD]

殺人罪で服役中の男が護送中に脱走を図った後、押し入った民家で繰り広げる恐ろしい計画の顛末を描くスリラー作品。

五年前、五人の若い女性の失踪に関わった疑いで、全米に指名手配されていたコリンは、逮捕されるも起訴に至らなかったが、その数ヶ月後に酒場で男を殺害した為に、過失致死罪で懲役15年が確定し、収監される。五年間の服役の後、仮釈放聴聞会でコリンの釈放の可否が問われる事になる。

護送車に乗せられ、刑務所から聴聞会へ出席したコリンは、自らの更生ぶりと模範囚としての実績を熱弁するが、コリンを昔からよく知る委員の一人は、コリンが嘘が巧い事、また女性絡みで暴力沙汰を繰り返してきた事を指摘し、更にコリンが極めて悪質なナルシストで、自らの優越性を証明したがる男だと喝破する。憤ったコリンは反論しようとするが、逆に委員に自制心が欠けていると指摘される。仮釈放には全委員の合意が必要な為、コリンの申請は却下される。帰りの道中、コリンは護衛の警官を欺き、銃を奪うと、運転手共々射殺して護送車から脱走を図る。

二児の世話に追われる元検事のテリは、夫で弁護士のジェフリーが仕事で家を留守にしがちな事に不満を抱く。ある日、ジェフリーは早々と帰宅すると、父親の誕生日の為に泊まりがけでゴルフに行く事を告げる。テリの親友で不動産業を営むメグは、テリと二人きりで夜に女子会を開く事をテリに提案する。テリはジェフリーに二人だけで過ごす時間が必要だと理解を求める。ジェフリーは、テリが嵐が来る事を伝えて案じるのをよそに、支度を済ませてそそくさと家を出て行く。

コリンは婚約者のアレクシスが、自分のいない間に別の男とカフェで会っている現場を覗う。その後、コリンはアレクシスを尾行し、引っ越し先の住居に忍び込む。コリンは自分が起こした事件のせいで、アレクシスが自分から離れたくなり引っ越した事に理解を示すと、アレクシスに対する変わらぬ思いを伝えて許しを請い、自分と一緒に旅に出て、結婚しようと提案する。アレクシスが困惑すると、コリンは刑務所から送った手紙に返事が一切無かった事を責め立て、カフェで会っていた男について追求する。アレクシスはジムのトレーナーだと弁明するが、コリンはアレクシスのベッドで見つけた、男が書いた置き手紙をセックスの証拠として読み上げる。アレクシスが寝室に逃げ込むと、コリンはセックスした事を執拗に問い詰める。アレクシスがそれを認めると、コリンは憤慨してアレクシスを殺害する。

その夜、コリンは嵐の中を車で移動中に運転を誤り、倒木に衝突して負傷する。コリンはその足で最寄りのテリの家に駆け込むと、レッカー車を呼ぶために電話を借りたいと請う。コリンの怪我を案じたテリは電話を貸すと、雨ざらしにするに忍びなく、コリンを屋内に招き入れる。テリはコリンの傷の手当をし、服を貸し与える。テリは身の上話をし、元検事で殺人課にいた事、夫妻が法律家として出会った事を明かす。

雷鳴の衝撃により、テリの車のアラームが誤作動で鳴り始めると、コリンは率先して対処に向かい、テリはコリンの人の良さを感じて信頼していく。互いの結婚の話になると、コリンは恋人に浮気されて婚約破棄となった事を明かし、それがいかに辛いか訴える。テリは結婚に対する情熱が冷め、やがて自分の魅力が失われていく事を嘆くが、コリンは魅力が失われていないとテリを励ます。

テリは今夜は夫が戻らない事を打ち明ける。そこへ約束通り、メグが訪ねてくると、テリはメグに事情を伝える。メグは仕事柄、付近一帯の住居を全て把握しており、コリンがどこに住んでいるのか尋ねるが、コリンは答えをはぐらかす。

その後、三人はメグの持参したワインを飲み交わす。メグはテリとコリンの関係を疑い始める。テリが赤子サムの子守で離れると、コリンは煙草を吸う為にガレージに向かう。メグも付き添い、コリンにテリとの関係を問い質す。コリンはテリと浮気している事を告げ、メグを欺こうとするが、メグは無二の大親友であるテリが自分に黙って浮気をするはずが無いと主張し、嘘を付いていると指摘すると、コリンの素性を暴く意向を示す。コリンはその場でメグを殺す。

テリが子守から戻ると、コリンはメグが突然帰ったと伝えるが、テリはメグの傘が残っている事を訝る。テリはメグに電話をかけようとするが、電話機のケーブルが切断され、更にキッチンの包丁が全て無くなっている事に気付く。コリンが姿を消すと、テリは長女ライアンの部屋へ駆けつけ、そこでライアンと遊んでいるコリンを見つける。テリはその時、コリンが拳銃を腰に携行している事を知り、恐れを抱く。

テリはライアンを寝かしつけて寝室を出ると、消火器でコリンを殴り付け、子供達を連れて脱出を図ろうとするが、コリンに阻止され、拳銃を突き付けられる。テリはコリンに脅され、着替えを命じられる。着替えを終えたテリは、不意を突いてコリンを殴り付け、別の電話から通報に成功する。コリンが襲いかかると、テリは傍にあったナイフでコリンを負傷させる。テリは直に警察が来る事を伝え、コリンに立ち去る様に哀願するが、コリンは子供達を連れて車に乗る様に命じる。

テリの運転で出発して程なく、パトカーと遭遇すると、テリはコリンに悟られぬ様にライトで合図を送る。警官はその意図を尋ねるべく車を停止させると、コリンは赤子を人質に取り、テリに余計な事を告げぬ様に命じる。警官はテリの身分証を確認すると、コリンの怪我の様子を見て訝り、テリを降車させて尋問を始める。警官はテリの言動から犯罪に巻き込まれている事を見抜くが、それを察知したコリンは警官を射殺する。

コリンはアレクシスの家まで車を誘導すると、二階の部屋で子供達を寝かしつけさせた後、テリをアレクシスの寝室に連れ込む。コリンは、そこに横たわるアレクシスの死体を元婚約者だと紹介する。その時、雷の衝撃で再び車のアラームが誤作動を起こす。コリンはテリを紐で縛り付けると、解除に向かう。その直後、アレクシスの携帯が鳴り始め、テリは紐を花瓶の破片で解いて、電話に出る。テリは相手がジェフリーだと気付き、ゴルフの予定は嘘でアレクシスとホテルで浮気をする予定だった事を知る。テリはジェフリーにアレクシスの死を伝え、警察に連絡する様に命じる。

テリは窓から脱出した様に工作すると、屋内に身を隠す。寝室に戻ったコリンは、一旦屋外へ探しに向かうが、テリが屋内に留まっている事を察知して戻ってくる。テリは不意を突いて包丁で切り付け、コリンを負傷させるが退けられる。テリは通報した事を伝え、コリンの目的が復讐だと指摘すると、襲いかかるコリンに死に物狂いで抵抗し、銃を奪ってコリンを射殺する。

程なく、警察と救急隊が駆け付け、テリ達は保護される。そこへ駆け付けたジェフリーは、アレクシスとの関係をただの遊びだったと弁解するが、テリはジェフリーを殴り飛ばす。

その後、テリはジェフリーと離婚し、子供達を引き取って新居に引っ越すと、復職して自分らしさを取り戻す。

 

 

意味深なタイトルでホラー寄りのスリラーを期待していたのだが、かなり地味で単調なスリラーだったかなと。男が押し入った民家にいた女の夫が、男の元婚約者の浮気相手で、実は偶然押し入ったのでは無く最初から復讐が目的だったというオチ。確かにそこまで予想はしなかったが、もっとオモシロな展開を期待していただけに物足りない感じ。コリンは悪魔というか、普通に自己中で自制心の無い殺人犯でしか無いから、主役と言っても当然感情移入などできるはずもなく、かと言ってテリは主役としてはキャラ的に弱いし、没入する要素が無いのも残念なところ。イドリス・エルバはノーブルなイメージがあるから、根っからの悪人役は似合わないな。

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